禅寺小僧

日々の記です。

2012-01-01から1年間の記事一覧

骸骨の歌 岩手県上閉伊郡の昔話

むかし、上七兵衛と下七兵衛という仲のよい友達があった。二人は相談し て他国へ手間賃とりに出かけた。下七兵衛はよく働いてうんと金をため た。けれども上七兵衛はならず者の仲間に入って、悪いことばかりしてい た。三年の月日がたった。下七兵衛は国に帰…

母方の祖母は加賀の大聖寺の生まれで、漆塗りの一間廊下のある大きな家 の三女に生まれた。農家だけれど豪農だったらしい。そのころ京都にある 親戚の家から人がやってきた。その家はもともとは銭亀という屋号をもつ リッパな家でお金持ちだったらしいけれど…

仏手

寒さがゆるんでしまって、せっかく積もった雪が溶けてしまいやがったの がちょっと戻ってきたみたいですな。今の時季あんがい花がなくって、葉 は落ちたけど実はついている柿の枝を切ってきた。柿の実はちょっと多す ぎるのやけどなんとなく切らずじまいで、…

挫折

その晩は寺に泊めてもらい、次の日は近所のホテルに泊めてもらう。 さて、今日中に京都に帰り着かなくてはいけないけれど、今晩中に帰れば いいのだな。最初の予定では電車で採銅所までゆき、そこから山に入って 嶺づたいに八幡駅まで歩くことにしていたけど…

sorekara歩いて

若杉の山頂につくとそこは奥の院で、お不動さんがおられたんでグルッと まわってお参りさせてもらって、おもわずゆっくりしてしまう。おりてゆ くと土産物屋の茶店でうどん350円とあったので一杯注文して、さらに大 杉の谷にはいってゆき、ちょっと道に迷っ…

山に伏して

風のマシなところをさがして、いちおうマット敷いてその上にシュラフで 寝ることにする。テントはなし、荷物になるしもってこんかった。山のて っぺんで眠るのは、大きな儀式でお経をよまねばならんので山の神様の助 けもかりたい、それでわざわざいい気のお…

12月の座禅会の予定

9日、16日、23日、30日の朝8時からです。 膝かけ肩かけは用意していますが、本堂はたいへん寒く冷たくなっていま す。どうぞ、あたたかくしておこしください。 206566

夜間登山 1時半ののぞみに乗って、4時半前に博多。駅を出たところで呼び止めら れたら、京都の材木屋さんやった。打ち合わせにきたっていう、誰も知る 人のない街のかどとフラフラ歩いてたら油断も隙もないもんだ。 小さいスーツケースにひとつ入れた荷物…

沢庵

予定がかわって、時間が空いて、干し大根を樽に漬け込んでる。まあこん なこともあってもいいか。漬物屋には馬鹿みたいに美味いのがいくらでも 売られているし、このころは田舎でも減塩ブームで漬け物は砂糖と塩と酢 で作った調味液に漬け込んでつくるのが流…

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かえり

山の紅葉は早くてもう色褪せ散ったあとで、雪はまだのちょうどあいの間 の2時間半の旅だった。寺の本堂に一泊させてもらって、京都にもどる朝 の道は晴れていて、里山の紅葉が鮮やかだった。もうすぐそこにまで冬は 迫っていて、見とれている秋は冬への準備…

初雪

この山の横に1500mの山があって素晴らしいのはしっているけど、 ちょっとついでに登るというようなかんじでもない。登山というほど でもなくて山登りにやってきた標高1200mほど。 開店前のスキー場では今年初めて見る雪の製造がはじまっている。 太いパイ…

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大根の季節

昨日は雨だったこともあって、いろいろ。 晴れたから、川の畑で大根ひきをする。 引いて、桶の水でたわしで洗って、紐で結んで、棒に吊るしてきた。 なんにしても一人でする。 道場だったらみんなでするし、洗い方も扱い方も雰囲気も別であるし。 それが味に…

雨の日のふたり

この間から会おうと言っていたのが、雨になった。 ふたりで思い出の場所に行こうっていっていたけど、 雨が降って、なんとなく、どちらからということもはっきりせず、 あそこはツルツルやからなあ〜 やっぱりちょっとヤメといたほうが〜 ということにどちら…

うら打ち

東海道線、なんとなく目をやると、吊り広告に、 ”絵解き”ってなあに? 語り継がれる仏教絵画 ってあるじゃないか。 西本願寺前、龍谷ミュージアムで、2012.10.13 〜 11.25 まで、行かねば。 203659

骸骨の歌

法話の講習会で絵を使って話をさせていただきました。 不真面目だ!なんて怒り出す人もおらず、ホッといたしました。 来年の地蔵盆にむけてネタを練ってきます。 203530

11月の座禅会の予定

11月の日曜座禅会の予定は 4日、11日、18日、25日の 朝8時からです。 どなたでもご参加ください。 202774

山の上で大失態

そのときも急いでいて、かつ焦っていたのか、どえらい失敗をしてしまっ た。用事をすませて、あとは帰るのみという移動は、義理と仕事と義務を こなすため。ここまで来て、何もせずに、帰る。昔なら財布から出すこと のできなかった交通費が、泡と消えゆく。…

つづきのはなし

今から神戸にゆくのだけれど、地下鉄に乗ってかばんの中を見てみたら、 クリアファイルにあるのは関係のない資料ばかりで、車中書こうと思って た、紙芝居のお話のつぎの読み解きは書けずじまいになってしまった。 ここからの便りもたえはてて、さて何をして…

中華蕎麦

お昼ご飯はどうしますかね。この町で食べていくか、この先の町にします か。山間の町にはうまい蕎麦があって都会からも車で食べにくる人が多い んだけど、むかし旅してたら土地の人はみんなラーメン食べてましたよ、 って話してた。ここいらは中華蕎麦が名物…

ゆめのあと

不要不急の設備として、戦争中の金属供出の対象となったケーブルカー線 にあった車両、ケーブル、機械類の金属、その他いっさいのものが持ちさ られた。残されたものは何もない。まったくガランドウになって建物だけ が残されて数十年。駅舎だった建物は仕事…

森の奥深くには

入ってゆくと大きく開けた場所があって、 ヘリコプターが着陸できるくらいあるところに つたでおおわれた緑色の建物が取り残されている。 中には、 もうなんにもない。 人間の使っていた家具や道具、書類のたぐいは何もなくて 窓のガラスもなくなって風がと…

味噌をあけてみると

まだ若いのはわかっていたけど、味噌をあけてみた。 重石で水があがって、どろどろになっていた。 左のほうに見える米粒みたいのは、樽の最後にいれた麹米の なれのはてなんである。 しゃもじですくってみると味噌っぽいところがでてきた。 写真でみると水っ…

おまけ

頭の赤い、大きな黄緑色のキツツキがいて、 アカゲラっていうんじゃないですかねえ、 って言っていたら、 それはアオゲラです、と教えてもらった。 写真の真ん中にちいさく写っています。 しばらくしたら飛んでいきました。 196236

山をおりる

なんだかな〜 はやくもどるべしというので、 最短ルートでもどらねばならん そんなに急いでもあんましかわらんと思うのやが 足は速くうごいていても、心はどっしり今を楽しんで られればいいのだけれど、なかなかそんな境地にもなれず。 ああ、もったいない…

山頂にて

雲の流れてゆくるのをながめて、 もらいもんの、なんだかいい名前のお菓子を 街のではない、山のうえの空 195967

雨旅

きれいな水が勢いよく流れてゆく側溝のなかに、ケースごとビールを つけてあった。帰りにものぞいてみる。 運悪く今日は雨になって、それででも歩いてゆくんだけど、杉林をぬけた あたりであきらめてカッパをつけて、雨のたびもいいもんだ、おちついて いて…

落ち種ひろい

畑を整理したら長ーい苦瓜がでてきた。胡瓜を巨大にしてデコボコをつけ たみたいな形で、よく店で売っているずんぐりむっくりした紡錘形のでは ない。売っているのは沖縄のゴーヤの系統で、細長いのは九州の苦瓜のタ イプかなとおもったりするのだけど、この…

アビダルマ

何日かして、一冊の本が送られてきた。存在の分析(アビダルマ)という タイトル。講習会に出席するまえに予習して読んできてくださいとのこ とだったので、読みはじめたところ、わからない、ぜんぜんわからない、 まったく、理解できなかった。 本の中に、…