禅寺小僧

日々の記です。

きんとん作り






誰かが、お菓子やさんによって、あれこれ一種類づつ土産に和菓子を買う
てきてくれたとする。好きなんを一つづつ取ってください、っていうと
日常的にお茶を飲んでる人や、お菓子好きの人はわりとキントンを選ばは
ることが多いような。キントンは、あんこを丸めただけのような
菓子で、まんじゅうのような皮があるわけでもなければ、羊羹のように
寒天でどうこうするわけでもなく、もう、あんこがそのまま、っていう
シンプルらしさが潔くっていい。それでいてキントンは高級
品な顔をして、どっしり構えておられる。すべて食べ尽くしたようなお
菓子ずきな人も、そのちょっとゆるめの滑らかなあんこの感触が好きなんだ
ろうな。











お客さんがある日に作ろうとしたところ
実家からもらってきた小豆がなくなっていた。ぜんざいを作ったりす
るのに、小豆はすでにすべて鍋に投入していたのだ。余っている豆がビン
にある。これはインゲン豆の種で、モロッコインゲンという種類。平
鞘、幅広のおいしい品種で、ふつう青いうちにとって湯がいたり、天ぷら
にしておいしい。たくさんとれる。蔓をのばすからネットに絡ませるのだ
けど、葉っぱの後ろに隠れてたりして取り残しも結構でるんだな。それを
集めて来年に蒔く種にするのんだけど、たくさん採れたのをもらってきて
た。炊いたり、カレーにいれたりしたらいい豆だ。アフリカや南米の人も
隠元豆をたくさん食べている。テレビで食事が写ったとき中身をのぞいた
隠元豆がごっそり入ってた。うちで作ってるモロッコっていう品種も、
アフリカから誰かが種を運んでくださったんでしょうな。










ふつうインゲン豆は鞘を食べるのを三度豆、実を食べるのはウズラ豆、
ヒヨコ豆、金時豆など品種がわかれていて、鞘を食べるのと、実を食べる
のとそれぞれ別なんだけど、実家で作っているインゲンは夏のうちは鞘を
食べ、秋になって取り忘れたのは実を食べれるという、いいとこどりの豆
なんです。種を欲しい人はお申し出ください。









材料
ロッコインゲンの種、一合
白砂糖、一合・・・なんだけど砂糖は桝にいれても手でおしたら沈む。
         分量があいまいなんだけど、軽くおして7合か8合
         くらい。


プロのお菓子屋さんは白あんをつくるのに、白小豆や手亡(テボ)という
白インゲンを使いますが、あるものでいきます。
ロッコの種をよく洗い、沸騰したお湯の中に投入。再度沸騰してきたら
皮がむけやすくなるように重曹をすこしいれて、蓋をして蒸らす。
ザルにあけて水にさらす。
すり鉢にいれて、ゴリゴリして皮をむく。白インゲンだと皮も白いけれど
この豆は茶色だから必ず全部むく。悪い豆があったらどける。食べてみた
らわかるけど、まずい。どんどん水をかえて、皮を流すのと同時にアクも
流します。
鍋にお湯を沸騰させたところに豆を投入し、蓋をして一時間炊く
ザルにあけて裏ごしする。
砂糖と水溶きの小麦粉(少量)を足して火にかけて練る。
もうコゲそう!スグ火を止めてそのまま練り続ける。
冷ます。
もう一度ザルで漉す。
箸でキントンの形にととのえてたら、できあがり。
豆一合で小さいキントンが10個できます。











店で売っているキントンはもっと大きいですが、お茶飲むのにはこれくら
いの大きさでもいいのでは?とおもっています。売り物は中身のあんこと
外についているそぼろあんが別の種類であったりしますが、これくらいの
大きさのなら、凝ったことしないでも、一つの味でいいとおもいます。
同じ味で大きいのだと食べてるうちに飽きてしまうので、あんをかえて
あるのかもしれません。かしこまったお茶会でもなく、お寺でおだしする
お菓子はシンプルなものでいいし、お菓子屋さんほど凝ることもないの
ではないかと。素人は素人っぽい菓子を作れればいいと。そのザックリ
したところが素人の菓子のいいところです。


食べた人は、栗ですか?、サツマイモですか?とか言っていましたが、
豆の素材の味が残っています。売っているのはもっと砂糖が強く口の中が
いっぱいになる感じです。店で売っているのよりおいしいという人も。
乾きやすいので、作ったらすぐに食べます。










「銘はなんと?」
と聞かれましたが、まだ思いついてない。
雪餅みたいな感じなんだけど、少し色がついているしなあ。
いい銘があればいいんだけど。
なんかありませんか。。




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