禅寺小僧

日々の記です。

12月の甘酒つくり その4

12月28日







12月4日の洗米にはじまって、仕込み終わったのが12月10日だったから18日間かけた甘酒でした。冬の気温の低さのおかげで、すっきり辛口風に仕上がっていました。気になる酸味はあまりなし。あ〜冬が寒くてよかった、ありがたい、冬のおかげだわ。日本の気候風土にしっかり土台を支えられていますから、冬に作ると簡単ですね。あとご先祖様伝来の麹菌やら道具やらのおかげでもあります。いろいろアタマで考え、手をつくしてみても、液温なんか計ってみて科学的に管理しているようには見えるかもしれませんが、所詮は気候まかせで温度を上げることも下げることもできず、また麹菌以外の菌も活躍していることと思いますけど、これも樽の木の中にお住まいの菌にご活躍いただいてるだけで、どうにも人が思うような管理は全くできません。麹のおかげでご飯が溶けてきたわ〜、液温が10℃になったな〜、泡が出てきてブクブク音してるわ〜。アチラさんの都合で進んでゆくのを、はた目から見てるだけ。


していることは、いちおう毎朝、ステンレスのお玉で甘酒の上下をかき混ぜています。昔から、櫂で溶かすな麹で溶かせって言うようですけど、素人の仕事ではなかなか溶けきらないのですよ。麹米と井戸水と、ほんとうはご飯ではなくて蒸米を入れてじっくり溶かしてゆけば美味しいのが出来るのはわかっちゃいるのですけど、なかなか溶けないんです。粕が沢山出来すぎてしまって、なんかモッタイナイような気に襲われるんです。現代日本は史上空前の米が沢山あり余ってる時代だと感じています。日本の歴史上こんな時代はなかったと思います。根底には主食米の国内自給体制という国是があり、農地の整備、栽培技術の向上、生産者のみなさんの努力のおかげです。その豊富な良質米を50%以上も削って仕込み、絞ったあとの酒粕が仕込み米のこれまた50%という贅沢なお酒が大吟醸です。高度な最新バイオ技術、最新の精米機、麹製造機、温度調整のできるサーマルタンク、マイクロフィルター、コンピューター制御、、、、の賜物で、現代日本に生まれた贅沢さとありがたさを感じます。こんな時代は今までありませんでした。小さな高級酒の酒瓶の背後には、削られたりしぼり粕にされた大量のお米がある、貴重な貴重な、澄みきった滴なんだな。ガブガブ飲まないで、チビチビいこう。


夏の終わりに亀岡の奥で、川に直接、竹樋をくっつけて川の流れのそのままの水で流し素麺を楽しませてもらいました。メンバーは人生の先輩方がほとんどでしたが、みなさんガッツリワイルドでなかなか痛快でありました。そんな折、昔の酒は高かったなあ、給料がナンボのときどれくらいしたとか話されていたのですが、やっぱり今はお酒も安くなったのですね。そういえば実家の近所の酒屋の看板には「しあわせ実感、安い酒!」とデカデカと書いてありました。わかるわ〜。そんな最高の現代の贅沢にもあやかりつつ、ザッカケな、高級でもなければ、たいして旨くもないものも捨てられなくて、こんなことも続けているわけですよ。


ほかにやることがあるだろうに、ヒマなんだな、こんなモンこんなに作って、馬鹿にされても続けている、菜園、漬物、味噌、甘酒、餅つき、etc、父親に言わせれば「アホか、買うたほうが安い!」と言われるものばかり。でも阿呆と言われても続けるのは、実際に作れるっていうことも大事だと思ってるからです。種を播いたら菜っ葉ができる、糠に漬けといたら漬け物ができる、煮豆と麹と混ぜといたら味噌ができる、それだけ知っていればいいようなものですけど、学校の勉強だけじゃなくて実際にやるってことも大事だと思ってます。自己満足だろ、って思われてるでしょうけれど。たしかに死んだ婆さんが田舎の土間でやってたことを繰り返してるような気もします。ドロドロで塩辛くたいして旨くもない味噌だったけど、心のなかでは貴重なものだし、小芋ばかり煮て食べてたけど、煮汁は捨てずにその次も使ってた。ウナギ屋のタレみたいなもんだけど別に旨いわけではなく。ご飯とみそ汁と和えもんと小芋のたいたんと砂糖入れた漬けモン食べてた。テレビの料理番組みてもクックパッドみても、料理って発達したんだなって思う。街では、若い人に会っても、どこそこに美味しい店があるって何件か知っててあたりまえみたいなかんじです。グルメな時代なんだが。


洗濯ネットし絞ってみたのですけど、来年はステンレスのザルを沈めとくだけでもいいかもしれませんね。絞りかすはあまり出ませんが、沢庵漬け樽の糠の中に混ぜておきました。おいしくなることでしょう。もうちょっと短く2週間ぐらいで仕上げてもいいのかな。今回初めて毎日写真を撮りましたけれど、来年の参考になりますね、やっぱり撮っとくもんですね。倉庫の片隅に置かれた暗い樽の中でも、日々変化していました。


今回は3回にわけて麹とご飯を入れてみましたけど、(味が深くなるかもと思ってです)今度は1回で全量入れてみても単純な味でいいかもしれません。2月の寒の時期にでも。












28日は餅つきなのですが、ちょっと手際が悪かったので来年に向けて今年中に準備を整理しときます。


来年の年末の予定
12月26日
もち米10キロ、片栗粉、あんこ、きなこ、バーベキュー用炭、針金
もち米は1升8合、1升8合、1升8合、1升5合にわけて洗濯ネットにいれて、ネットに入れたまま井戸水で洗米、浸漬。
杵、薄、餅箱、餅伸ばす台、せいろ、せいろ台、蓋なんかを洗っとく












12月27日
椅子、机の土台を準備(今年は椅子と机の板も前日に出しといたら、朝に霜がおりてコチコチべとべとになって座れなかった)
カマドの中に薪をセットしとく
大根おろしをすっておく(当日になると忙しくて大根おろしをつくってるヒマなし)
椅子と机の板を出してきて屋根の下にいれとく


12月28日
1升8合のもち米3袋を洗濯ネットのまま脱水機ソフトで9分脱水
1升5合の分は当日食べるやらかい餅にするので脱水しない
椅子、机の板を設置、針金で固定
せいろで1時間蒸す
甘酒と沢庵の樽を開ける
臼を温めるお湯を沸かす
最初の2臼は鏡餅用、三臼目は小餅、4臼目は食べる用
大根おろし餅、きな粉餅用のお湯を沸かす
こんな感じでだいたいうまくいくはず
大きさと個数がわかるようにと今年の内に、鏡餅のリングを作っておきました
















今夜は除夜の鐘ですね。
今年だけは紅白見たかったんだけど、そういうわけにもいかないな。


あんまり寒くなければいいですね






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