禅寺小僧

日々の記です。

ツツジの刈り込み、禅寺風にしてみたら





ツツジの樹を刈り込みしないでそのまま育てるとだいたい
上のような樹形になる。ツツジの樹っていうのはもともと
そんなに枝が込み合うような樹じゃないと、思う。







ところがたいていは剪定鋏で上から刈り込んで、丸く仕立てる
ことが多いようで、ハサミを入れると枝は新しい芽を沢山出して
くる。その上を来年もまた刈る、ということを繰り返していると。
枝の沢山ある、緻密な、丸仕立てになる。







確かに模範的な刈り込みで、きっちり真面目そうな感じがするけれど、
床屋さんにいって、綺麗に角刈りや丸刈りにしてもらったようなもん
でそれはそれで綺麗なんだけど、枝を掻き分けて中を見てみると、枝
が多すぎて真っ暗で、枯れ枝も多い。自然に生えているつつじの樹形
の、風通しのいいのとはまったくちがっている。







あんまりキチキチにするのも息苦しいので、枝を抜いてゆく。
とくに根元からまっすぐに立ち上がった立ち枝は勢いが強い
けれど、あまり花がつかず、樹形を乱すので根元から容赦なく
伐ってしまう。毎年、上から剪定ハサミで刈っていると、勢いの
強い立ち枝ばかりが伸びて、もともとある花のつく枝を枯らして
しまうのだわ。大きい剪定鋏は使わずに小さな手鋏でいい。
鳥の声を聞きながら。







このツツジを作っておられる和尚さんに教えてもらった。
毎年、花摘みだけで鋏は一切、いれていないとのこと。
剪定なしでこんなになるとは。。
理想だな。
声なき大歓声が咲き誇ってるじゃないか。
ツツジの樹っていうのはもともとこんな樹形なんだろうよ。
せせこましく、窮屈な仕立てはもうやめてしまおうや。