禅寺小僧

日々の記です。

仏教って凄い、。





知恩院とか行って、お堂に入ったら、仏教って凄いなあ、
ようこんなん作ったなあ、と思ったンや。


昔やしでけたんやろね。
今は材料がないから出来ない。


それに人間も昔とちがうやろし。
このお堂ができた頃は、お殿さんなり、富豪なりが資金を出して、
大工さんは、こんどあそこで大きいお堂ができるらしい、と聞いて
全国から集まってきて、奉仕で仕事をしたもんだ。
ただ、いいものを残したい、って気持ちで仕事する。
夜明けから日没まで。記録によると、昔の人の仕事は速い。


今は、工事があるというと、入札になって、ナントカ建設が
落札、採算の合うように仕事がすすんでゆくのだが、文化財の修理
でも9時5時であったりして、また今年は予算がなくなったから、
とかでここでストップとか、いろいろあってなかなか進まないようだ。
もちろん、今の時代はそれで仕方のだけれど。


見えないところに自分の名前を墨書して去ってゆく、昔の大工職人の
気風もよろしいね。自分の誇りとして、速くていい、仕事を残して
ゆくのだろうし、誰かの供養のためと思ってした人もあっただろうし、
誰が見ていようが、見ていまいが、観音菩薩に奉納するつもりで木を
削った人もあったろう。


それで得たものとは、心の充実と、同じように集まった職人の名人技を
見て自分のものしたことぐらいであったろうけれど、合理的なものでは
なかっただろうけれど、大きい心でケチな性分はあまり持ち合わせて
いなかったろう、と。