禅寺小僧

日々の記です。

円山公園の枝垂桜


 久しぶりに、円山公園に行ってきた。
昼間にとおりがかることはあっても、夜、しかも花見にきたのは、
むかし、むかしの花見コンパ以来かもしれません。
公園の真ん中の玉座に立っておられる、枝垂桜のおうわさは耳に
してましたとおり、
やっぱり弱っておられましたな。
大きい枝を切られて、樹形もバランスをくずしているようで、
枝垂れの枝も短くて、絢爛豪華な風情ではありませんでした。
ながい風雪を忍んでおばあさんになってしまったのでしょうか。
ご苦労様でした。そんな思いがよぎる。







金曜日の夜、仕事が終わって、みんな集まって、
暗がりの中、地べたで飲む。
「いいんでないの。」
とか言いながら。
もう、花見客もまばらになって、枝垂れのまん前に陣取った。
小雨が降ってきたので、たこ焼き屋が置いていった
テントの中に移動するうち、ものすごい土砂降りになってきた。
見上げると、暗闇の中、ライトに照らされた枝垂れの花が、
雨に叩かれて、散ってゆく。
思わぬ絶景に、歓声が上がる。
坐っているシートの下を雨水が流れてゆくのを、尻で感じつつ。







「写真の巨匠!」などとおだてておもらい、
撮った写真は、
写っていなかった。