禅寺小僧

日々の記です。

呼吸と花粉症




ひょんなことで知り合った男がいて、寺であって、
メシを食いに軒の傾いたテンプラ屋に入ったんだけど、
あっという間に、
焼酎たのみますわ、もう瓶ごともってきてんか、
ひとり一本ずつくらい飲んだのとちがうやろか。
あるいは、飲んだのか、飲まれていたのか。。
たぶんふたりともベロベロに飲まれていたのだろうけど、
彼は不思議な男で、まわりに沢山人が集まってくる。
この間もこの春大学を卒業した、きれいな女の子をつれてきた。
学生のときモデルもしていたらしく背もたかいし、
やっぱりまわりからクッキリ目だって、声もこちらに
ドシン、と響いてくる。あやふやに相手できないような迫力がある。
身体にも変な捻れがなく、柔らかそうだった。


そのうち、一緒にテンプラ屋にいった男のほうに、花粉症の症状が
出始めた。鼻水が止まらなくなってしまった。
体重を畳に落として、呼吸も畳に吐き出すように。
とこのときの坐禅の指導していたのだ。
どうも呼吸が下りすぎてしまったらしい。
デカイ身体してるのに、花粉症とは、、情けないね。
治してやるよ。
と身体を見てみると右足小指裏と左膝裏に痛点があり、
それをとってやると、ピタリと症状もやんでしまった。
座禅すればすべてがよくなる、というものでない。
もちろん、もっとじっくり取り組めば話はちがうのだけど。
ある程度身体から直してやったほうがいいんじゃなかろうか。


女の子は見た目が美人というのでなく、
どこか観音さんの雰囲気をもっている。
周りの人の縄をほどいてゆくようなところがある。
「自己否定をして、どう生きればいいか考えて、
みんな自分がしんどくなっているわ。
そのまま生きれればいいのに。」
こちらの頭がさがるよ。
この人にすくわれている人も多いのだろうな。
朝5時に起きてきた、という彼女は夜は早いのだそうだけど、
「私は内面をととのえて、毎日を過ごそうと思ってるの。」
と坊さんのようなことをいう。
まったく頭がさがりっぱなしやった。