禅寺小僧

日々の記です。

花わらい、鳥かたる


 書画、骨董、美術、なぞ、高尚なことがわかればいい
のだけれど、もう一つわからずじまいのまま、今日に至る。
芸術のわからない人や、とまわりから言われて久しいけれど、
心境としては、絵に描いた風景をみているより、現実の風景
のほうに心魅かれる。
土曜日、座禅会の女の子にさそわれて、彼女も出展している
花の展覧会によせていただいた。部屋にはいると、あちこちから、
口々に、はなしかけてくるような花々が咲き乱れていて、賑やかで。
それぞれの作者の創意や苦心の成果で華やかに溢れかえっていた。
地面にある花を切っていけると、もうそれは永遠のいのちではなくて、
あとは枯れてゆく、一瞬の命なんだが、それゆえの力強さが、
室内全体に撒き散らされ、あちらこちらから噴出している。


「お寺は花もかざるところも、いっぱいあるのやし、
和尚さんも花いけたら、どうですか。」
「けっこう忙しいんでな。なかなかできへんわ。」
「どこか忙しいの!」


寺でいけるなら、会場よりはもうちょっと暗いところになるだろうし、
いける人の性格を反映して、地味なのになるでしょうな。
ぽつりポツリ話すような。どうも大掛かりなのは、想像つかん。


そのあと相国寺にゆく。