禅寺小僧

日々の記です。

仏様がいっぱい。






新手のテレビのコマーシャルで社有林で自然保護しています、
みたいなのが眼につくんやが、だいたい今までは管理費がかかる
だけで、たぶん会社のお荷物やったろうと思うのやが。環境保護
ブームのおかげなのか、企業活動も自然の破壊だけじゃありませんよ、
と訴えなければならないからなのか、そんな環境にやさしいイメージ
広告が流行ってるみたいやね。


会社の山であろうとなかろうと、深い山や自然には何かしら神秘や
神性を感じるもので、実はお気に入りの場所があって、そこは岩と
砂と樹と水と空のある自分だけの秘密の場所なのだけど、その
清浄な場所にゆくと心が洗われてくる。一人でそこに行って、
川を眺めていると、オッチャンがやってきて、おなじようなことを
言うとった。そんな人が実は多いのだろうな。


西洋の聖者が砂漠に分け入って精神修行したように、
東洋の聖者賢人は昔から山岳や森林に分け入ったもので、
砂漠だと自分以外に生命を感じない無生物の世界であるのに対して
森林には沢山の大木や草、獣、鳥、虫、雨もふれば川もある複雑な
縁の世界で、そんな中でこそ休まる心もあるんでは?


「奇なるかな、奇なるかな、一切衆生、普く皆如来の知恵徳相を具有す」
お釈迦さんがお悟りになったときの言葉で、「おおっ、なんてありがたいこっちゃ、
山も川も草も木も獣も鳥も虫もみんな仏様のお悟りを現わしてるじゃないか。」
ぐらいの意味だと。仏教はここから始まっているわけでそれが感じれれば
まずはいいわけですな。