禅寺小僧

日々の記です。

奈良街道をくだっていると











テンガイモンに行こう、って。
でも、珍しいこと言うなあ。
そら好きだよ。友達の家が法華町にあって、昔何度も来たあたりだし、いろいろお世話になったあたりでもあるし。自分自身でも好きなモンだったからそのまま賛成した。














昭和の写真家、土門拳がこの門の写真を撮っていたな。門の正面から。西向きに建っている門を夕暮れの光で撮っていたはず。このとき奈良街道をはさんで道の向こう側からシャッターを押したんだけど、そのとき街道の交通をストップして写真撮ったらしいんだわ。


うーん、土門拳だったら、そんなことあるかもしれんな。。
あのオッサンやったら、あの昭和の時代やったらな〜。














土門拳の撮った東大寺の写真では南大門の写真も好きだった。見ていて気持ちのいい写真であったな。転害門は奈良時代から残る東大寺で一番古い建物やということは知っていたけど、久しぶりに見ると巨大な南大門とはまたちがった迫力がある。風雪に曝された丸柱は枝のあった節穴がいくつもならんで時間に削り取られている。伐られてどれくらいの長い時間がたったのだろう。ひときわ迫力のある、南西角の柱を見ているうち、立っているのは柱じゃなくて樹そのものであるように見えてきた。材木としての柱で建ってるんじゃなく、活きた樹が地面に立っているみたいな。何本もならんでいる軒のところの軸木も四角い角材じゃなくて丸太の両側面を少しづつ削って使ってある。規格品の材料で作ったんじゃない。チカラわざだな、こりゃ。でもやっぱりいいもンだな。昔とちがって今は門の下はもう通れなくなっている。門に上る御影石の石段を見ると、屋根から落ちた点滴が石を深く、深く穿っている。












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