禅寺小僧

日々の記です。

座禅中の脳波


 人づてに座禅中の脳波の測定に協力して欲しい、との依頼があった。
それも一人ではなくて何人も集めて欲しいという。一人だったら、
どうぞ、って簡単なんだが、沢山の人に協力してもらうのはなかなか
大変だった。


 脳科学みたいなものに現代人はものすごく興味があるように思う。
以前は脳内物質で説明していたように感じるが最近は脳の働きに興味
が移ってきたのだろうか。でもどっちにしても脳は現代のキーワード
だろう。座禅会ではいまだに筋肉をキーワードにしているけれど。


 今回の研究は座禅中のハイコンシャスネス、高い意識集中状態の計測で
普段とちがう意識状態での脳波はどうなっているのか、というもので、
被験者の条件が座禅経験が少なくとも数年以上の僧侶及び在家修行者であった。
自分では見ることも取り出すこともできない脳波への興味からか、
この実験にたいする在家修行者の興味は深く、忙しいなか多くの方が協力してくれた。
逆に難しかったのは僧侶のほうで、修行経験は在家修行者の何十倍もあるのだが、
いろいろと理由をつけてやんわりとことわられる。
やっぱりこういう実験は在家の人の発想であるのかもしれません。