禅寺小僧

日々の記です。

お城に呼ばれた。


                           
                        
                                 
旧東ドイツにはたくさんのシュロス=城があって、
貴族=庄屋=地主のかつての住処を尋ねることができた。
庭を造ったり、座禅していたのも、シュロスだったけれど、
城というよりもお屋敷という風情で、真ん中に広場があり、
まわりに家畜小屋などがならんでいた。         
                   
              
                      
                 

                  
                      
                     
ところが共産党時代になると、地主は土地を奪われるのはもちろん、
屋敷からも追放されてしまう。その間は家のない人がシュロスの
各部屋にすんでいたそうなのだけど、たいていは修理もままならず、
ボロボロに朽ちてゆく運命にあったのが大部分だったようだ。
それを村の人達が自分たちで修理して交流会館のようにしたところに
おじゃましてたわけなんだが、そのうち近所の城主様と親しくなり、
お昼御飯を御馳走してあげましょう。ということになった。
細い道を車で連れていってもらったんだけど、広場を囲んで
いろいろな大きな建物があり、その向こうには噴水つきの立派なお屋敷が聳えている。
なんとも凄いところに来てしまった。
表でドアをコンコンとして待っていると主人がでてきてくださった。
エジプト産らしい、ファラオ犬とかいう高貴な犬も出迎えてくれた。
いろんな綺麗な部屋を案内してもらう。これでも半分しか修復してないらしいのだが、
今度来たらどこの部屋にでも泊まっていいよ。だと
そのあと食堂でお昼御飯を頂く。
土地で取れたスイカよりもフタ周りほど大きいカボチャをスープにしてもらう。
ハローウィーンとかででてきそうなヤツ。あと、いろいろ。
ワインを注ぐのはビンから直接ではない。いちどガラスの入れ物に入れてからする。
これはいいやり方だと思った。
                          
昼間から、異国の地で、思わぬ、肉厚の大歓迎を受けてしまった。
                                           
ワインを注いでもらったので、注されつしていたら、
外国ではそんなことしないのや、と言われたけれど、
そんなことはまあ、どうでもよろしい。
ワインがなくなったら、小さいコーヒーカップがでてきた。
コーヒーがでてくるのかと思ったら、シュナップスという御当地焼酎、
コイツをちょっといれて、パッとやる。
いいパンチ、これも旨い。
                    
シュナップスを楽しんだ後は屋敷の後ろの庭を散策する。