禅寺小僧

日々の記です。

憎まれもの、かわいい









子供の頃、大発生というのがあった。アメリカザリガニが大発生したときはもう、池の中にはアメリカザリガニがごろごろウジャウジャで、アメリカザリガニ以外は何もいないんではないかと思える程だった。誰も食べなかったけど、ザリガニを裏返して腹を見ると、透明の肉に青い血管が見えてなかなか旨そうであった。お腹さえ減っていたら、今も大発生しているブラックバスだって旨そうに見えるんだろうな。ヨソからやってきて大発生するものってだいたい憎まれるみたいで、セイタカアワダチソウもそう。子供の頃の家の前は広大な空き地だったから、もう当然のように一面セイタカアワダチソウに占領されてしまった。学校へゆく途中、手でちぎっては茎の皮を剥いたり、繊維質のところを縦に裂いてみたり、真ん中のスポンジみたいなところをだしてみたり、どうでもいいことを手でチマチマしながら歩いていた。嫌われ者の花だったけど、贅沢な溢れるような黄色が大好きだった。ブラックバスブルーギルアメリカザリガニセイタカアワダチソウ、どれもこれもカタカナで書くとなんか悪いヤツのような響きになる。背高泡立草と書いたなら、秋の八草めに入れてもらえませんでしょうか。そうそう昔はいまより背が高くてもっと強そうだった。でもなんで泡立ち草なんでしょうね。











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