禅寺小僧

日々の記です。

木曽馬










まえに実家の畑にいったら、川の堤防で馬の散歩をさせている人がいた。ポニーっていう小さい種類の馬なんだろう、堤防の草を食べさせたはった。馬を飼うのっていいなあ。夕方になると、自分の馬を連れて堤防に行って草を食べさせるのって、なんかいいじゃないか。馬を飼うってのはそれからちょっとした夢のひとつになった。


父親が子供の頃は家に馬がいたんだと。赤馬を飼うとったぞ、というのがこんな馬だったのではないかな。この馬は山梨県の富士山のふもとの牧場からやってきた奴で、木曽馬っていう。昔から日本で飼われていた馬で、もちろんサラブレッドよりちいさい。聞けば速力がサラブレッドが時速60キロくらいなのに対して、こいつは時速40キロほど。しかし速さだけでは馬の能力ははかれない。この馬は流鏑馬でも活躍しているそうだけど、実に賢い。頭の良さは世界の馬の中でも冠たるものがあります。ほう、どういうふうに頭がいいんですか。サラブレッドがいるでしょ、あれは一種のマシンですわ。正確に次々に人間が鞭を入れていくことで走る馬なんです。木曽馬はその点、自分で考えて、人間の心を察して走ってくれるんです。だから流鏑馬で左手に弓、右手に矢をつがえていても、ちゃんと走ってくれるんです。木曽馬は後ろからみたらどてっ腹が横にでていてかっこ悪かったけど、放っておけばいくらでも餌を食べ続けるんだと。けれど丈夫な奴なんだと。たいてい農耕馬と林業馬して飼われていたのが、もう今では必要なくなって、数が減ってしまいもう絶滅寸前に近いのだと。そしたら朱鷺みたいなモンですか。はい、でも今ならなんとか間に合うかどうか、っていう瀬戸際なんですよ。だから日本の在来馬の魅力を伝えていかなければならないんです。













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こっちの白いのは道産子。北海道の馬、アラブ種との交配の巨大な馬なのかと思っていたけど、大きさは木曽馬とおんなじくらい。こいつも太い脚でスタイリッシュさはないけど、丈夫で実用的なかわいい奴。それにしても、なんでそんな奴らにひかれるのかいな。