禅寺小僧

日々の記です。

s*[京都花便り]京の派手好み











晴れた日、
ツバキの縁で、瀬戸ツバキの会におじゃまさせていただいた。
荒れた山に手をいれて、きれいにしたところに椿の苗木を植えて
おられて、これで人が入れるようになったな、と思った。
数年後、山の中で華麗に咲く花をながめてみたい。












その後、椿の生産をされている業者さんのところに連れて
いってもらった。野生の椿の北限地の話などでもりあがり、
では、ということで、ハウスの中で生産中のきれいな苗を見せて
もらったりしたけど、圧巻だったのはなんといっても一面の
畑だった。広い平野のあちこちに何十箇所だか畑があって、
遠くからみると、巨大な垣根のように茂っている。












おお、あんな垣根を作ってみたいものよ。
日当たりも広さも全部いるけれど。
先代さんからの情熱の継続なんだな。
樹の寿命が長すぎて、とても人間一人でできるような
こっちゃないわな。
なかなか見れない景色だな。












ご主人と話していて、京都の人は派手な椿が好きですね、
という。はて、そうだったかな?とかおもうのだけど、
よくよく考えてみれば、銘椿といわれてるのは、名前が
あるのはたいていそうかもな、そうだわな。
そう言われれば。












京都に帰って、たしかにここの椿も派手なのだ。
うん、山の椿とはまったくちがう。
これより派手な椿もないかもしれんな、とも思う。
ああ。一本の樹で宇宙を形成しているような、世界を
形作っているような。










これくらいの怪物になってくると樹の下に流れれいる
時間も変質してきて、別世界になってくる。
壷の中に居たら、時間が変わって、月日が長く感じられる
ような。











農家の庭先の銘椿。
誰もいないところで一人でながめて、置いてある自家製の
漬け物を買ってもどった。











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