禅寺小僧

日々の記です。

京都を旅するなら。。





満開です。が、、花は似ていますが、じつははスモモです。
この間ふと考えていたら、この樹を植えて10年になるんですな。
一昔前、なんですが、なんだか、あっ、という間でしたねえ。




行楽シーズンになると、たくさんの方が京都観光にいらっしゃいます。
有名な観光地は、いつも、人でごったがえしています。
京都は千年の都で見所も多く、一日に何ヶ所もまわろうとされます。
ガイドブック編集の方の話では、あらかじめ考えたモデルコースを
載せないと、なかなか本が売れないそうです。
本を手にされた方のうち何人かは、編集さんが考えられたコースを
そのまま、なぞり、店を訪ね、紹介されているおみやげなどを買われるのでしょう。
あちこちの名所廻りは、盛りだくさんで、たいそう見聞をひろめられるでしょうが、
なんだかバタバタ移動を繰り返し、まちは違っても、あわただしさは日常
そのまま、ということはないでしょうか。

京都の街にはいろいろな魅力があるのでしょうが、
せっかく、京都観光をされるのでしたら、
たとえ訪れる場所の数は減ったとしても、一ヶ所でゆっくり時間をとり、
寺の縁側で座り込んで、一服お薄を飲むとか、
苔にあたる木漏れ日を眺めるとかして、
千年の都の時間に身をまかせることができるなら、
ゆっくりと、あなたの心は和らいでゆくことでしょう。
本来のペースに戻って、自分の時間をゆっくりと味わえる街、
それが京都の魅力です。

バタバタと観光地をまわっているだけではもったいなくないですか?
土曜日に京都に着いて、日曜日の朝、時間に余裕があったら、
早めに宿を発ち、静かな、清々しい、生まれたての空気を思う存分吸い込んで、
坐禅を組めば、ゆったりしつつも、凛とした、京都の朝を満喫されることでしょう。
当寺院では初心者を対象とした座禅とお経の会を、日曜日の朝8時から
させていただいております。初心者が対象ですので、途中で脚を組み替えても、
少々動いたりされてもかまいません。正座をされても結構です。
自分の身体と相談して無理世ず坐禅してみてはいかがですか。
昔の人がしたように、昔の人がした場所で、自分も心を落ち着けてみれば、

自分の心の奥底の、静寂に耳を傾ければ、日常からも開放されて、
貴重な京都の旅の思い出の一つになるかもしれません。