禅寺小僧

日々の記です。

西陣織、その後


「80年代まではよかったんやけどナー。」


こないだ西陣グラフに載ったはりましたやン。
って聞いたらそう言わはった。


「載ったからって、注文が増えるわけでもないし、
こんな仕事があったんヤ、っていうのを今のうちに
記録しとくためにあんなんやってはるんや。」







その人は西陣織の機械の部品を作っておられる。
昔は、夜も寝んで仕事しな間に会わんかった。。。


数年前までは、玄関で、
「こんにちわー、こんにちわー。」って言っても、ちっとも
家の人に聞こえないんで、勝手に奥に入り込んでいったもんだが、
今は、そんな家は一軒もなくなってしまった。
手織りの人が一人いるだけになってしまった。







聞く話は昔ばかり。、、、
昔はヨカッタ。。
在庫は沢山あるけど、売れない。
反物ままでは売れんので、
なんとか売れる形に変えなあかん。
着物とか帯の形でなくてもいいんでないの。
織物をつくる技術はあっても
どうしたら売れるか、がわからん。
で、うつらうつら考えたことがあった。
どしたら売れるか???







若い、男前、または美人のカリスマデザイナーは
現れず、、、
自分デザインで自分用の頭陀袋を作った。
頭陀行というのは、托鉢行のことで、コツジキのことだから
というのと、自分のこのみと、コーヒー屋のおっさんから
タダでもらえる、というのでコーヒーの麻袋と西陣織のはぎれ
を使う。ハギレでも西陣織の金襴はかなり派手なので、男が持つ
にはちょっと気がひける。裏地に使うことにする。
コーヒーの袋一枚で四つできます。
金襴地は堀川今出川西陣織会館の隣で売ってます。
一枚千円。