禅寺小僧

日々の記です。

 通りがかりのお寺の門の横に種をつけたボタンの木があったので、枝についているのをちぎったり、地面に落ちているのを拾ったりして、をもらってきた。人にあげた残りを数えたら、69粒あった。小豆ほどの大きさの、黒い、艶のある、涙型のタネを発泡スチロールのトロ箱の底を棒で打ち抜いて、その辺の土をすくって埋めておいた。
 
 立てば芍薬、坐れば牡丹。というけれど、ボタンと芍薬は同んなじもので、牡丹を育てたら芍薬になった。ボタンは芍薬になったりするんや、。。と聞いたことがあったけど、植木屋で売っているボタンは芍薬の根に接木してあるらしく、その芍薬の根っこから芍薬の花が咲いた、というのが本当のところみたい。なんで接木するのかというと種を蒔いても親より劣った花しか咲かないそうで、しかも発芽に1年以上かかるとか、何十個のうち一つしか芽が出ないとか。花札の柄は蝶と牡丹だけど、ボタンには蜜腺がないから蝶はこないとか、ボタンのことをオスの丹と書くのは、種をまいても丹つまり赤の花は咲かないそうで、子が出来ないからオスと書いたんだ、かいろいろインターネット知識が増えた。本草綱目からの孫引きが多いみたいやったな。便利になったもんや。しかし、園芸種の写真は沢山あるものの、原種の写真はほとんどなかったし、種を蒔いて育てた人の記事もほとんどなかった。種をまくと子供が親と違うのは遺伝子が安定してないのだろうから楽しみであるな。
    
 牡丹一日の紅、満城公子酔う。
  
牡丹は一日紅いだけやけど、町中の人が酔う。というくらいの花だしナ。しかし、発芽に1年以上もかかって、さらに花の色も紅くならない、という伝説?の持ち主だからどうなるこっちゃら。伝説が正しいか、どうか、気長にためしてみます。




せ。