禅寺小僧

日々の記です。

畑の環境問題

虫食い菜っ葉

 畑にいったら菜っ葉がちょっと食われてた。
冬でも虫がいるんだねえ。もしかしたら鳥の仕業かも
しれんけどね。蕾も出来かかっているからもうすぐ春に
なるってことなんだろう。
 
 ちょっと変わった畑友達?なる人がいて、
その人も菜っ葉が成長していくのを眺めるのが趣味
なのだけど、なんというか畑全体をめでているような人で
要するに虫も鳥もひっくるめて好きな人なんだ。
地面に豆を播いたとして、芽が出てくるころには
ハトかカラスがやってきて、一日中ほじくりまわして
芽が出かかったところをさらっていってしまうから
種を播いた後に糸とか網を張ったほうがいいのでは?
と言っても「そんなことしたらアカン」と怒らはる。
そうは言っても芽がでなかったら何にも始まらんのやけどね。
それにこの辺の鳥はエサが少ないから、田舎より被害が壊滅的
なんだ。といったらちょっとはわかってもらえたのだろうか。

 思ってもみないことだったので驚いたけれど、
生物に対するやさしさは新鮮だった。この人にとっては
青虫一匹、スズメの1羽がいとおしいんだとおもう。
自分の菜っ葉が目の前で食われている、というのにね。
どうぞ食べナ、なんて心の広いひとなんだろう。
俺は趣味で種を播いて育つのを楽しみにしていて、
菜っ葉を溺愛していたのだけど、この人は
虫も鳥も全部ひっくるめて好きなんだ。
菜っ葉だけを愛しているなら、それを妨害する
虫や鳥には冷たいし、憎悪の対象なのだけど。
全部ふくめて好きならば、大らかで、どこにもひっかかるところがない。
慈悲っていうのがそんな心境なのだろうか。
愛というのと慈悲というのとちょっとニュアンスが違うけれど
愛のほうがちょっと自分勝手なんだろうか。

 私は菜っ葉を育ててる。とおもう、というか思いたいのだけど、
菜っ葉のほうはどう思ったはるのやろうか。
口にだして言う、ということをなさらないから
本心は聞けずじまいだけれど、たぶん、
虫も鳥も人間もぜんぶを育ててる、と思っておられるのではないか。
菜っ葉からみたら、俺たちは虫や鳥と同列で菜っ葉に
養われている存在だ。強い者が弱い者に養われている。
供養なんてことを考えていたらそんなことに気がゆく。
人間も地球に養われている、とみんなが思えれば
環境問題につての認識も変わってくるのかも、しれない。


せ。