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「やっぱり、自転車で行ったほうがいいんですか？」「そうです、自転車で行ったほうがいいんです、この難所はほんの200メートルか300メートルだけです。そのあとはなだらかになってます」言い切るものの、エンジン吹かしてバイクを押し上げようとして滑ってバイクを転かしてしまう。右ミラーが、パリン！と小さい音を立てて粉砕される。けどそんなことにかまっていられない。暗い杉木立の山の中、峠を目指して一歩一歩、奮闘するしかない。道の上がゴロタ石とデコボコの段差だらけ、そしたらエンジンをふかして道の横のほうからクリアする。なんとしてでも、バイクで峠を制覇するのだ。バイクで北極に行ったりする人がいたけど、、たいへんですな。山を登ってるんだけど脚よりもバイクを持ち上げてる腕が疲れてきた。汗はダラダラ、だんだん身体もフラフラしてくる。帰りは、この道とおらんと山の向こう側に降りるぞ。とその先にえんえんと続く大階段地帯が目に入った。うへぇ、ここはさすがにクリアできない。ああ、ここまでか、これ以上、もう、この先には進めない。

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