禅寺小僧

日々の記です。

木の芽田楽







筍がぼつぼつ出てるなあ。料理屋さんの細かくサイコロに切った筍の木の芽和えをいただいた。きれいなプロの料理で贅沢なものだ。和えてある味噌も白味噌とみりん酒木の芽を丁寧に炊いてあるのがわかる。上手だなあと思いつつなんかやってみたくなった。ザルに一杯木の芽を摘んできた。簡単なこと。その上に熱湯をかけたら香りがたった。包丁で刻んですり鉢ですって白味噌とみりんと砂糖と酒といれて火にかける。


豆腐屋に行く
こんにちわ
はいはい
田楽にしたいんやけどどの豆腐がよかろう
うーむ、焼き豆腐やと最初から焼き目ついてるけど、自分で焼くんやったらおもしろないしな、白豆腐がええやろ
そしたら一丁
はーい、そやけど何ンで焼くんや?
風呂焚いたから消しで焼こうとおもう
そらおいしいわ
おばちゃんはちょっとあきれた顔をしてた。


下ごしらえして、風呂のカマから熾火をとりだして七輪にいれてレンガを渡した。
江州の人が言ってた。
寒モロコってあるやろ、2月3月の寒いときに琵琶湖の底にいるモロコを炭火であぶって食べるんやけど、なんかちょっと泥の匂いがするんや。でもその匂いがなんか春を感じるねん
それだったら京都は木の芽や。アホほど木の芽をいれた味噌は薬やと思ってる。これを食べたら元気になるぞ。狐色に焼けてきた豆腐をひっくりかえしてたんまり木の芽味噌をぬった。隣では犬がキュンキュン言ってる。ちょっと待て、おまえにゃ毒だ。ええ加減のとこでぱくついたらやっぱり旨かった。野生の味。それがうまいのはあたり前、そういや、それは豆腐屋さんの豆腐がええからに決まってるやんって言っとくの忘れちゃったな。






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