禅寺小僧

日々の記です。

お地蔵さん

hekigyokuan2005-06-28

 旅をしていて山道なんかで石仏に出会うのは風情があっていいもんだ。石工とは限らないけれど、誰かがここにやってきてノミとハンマーで道端の岩を刻んだにちがいない。お堂も何もなくて風に吹かれるまま、夜露にぬれるままだけどこの山全体がお堂や、とおもったはるんやろうか、何百年かしっかりとこの土地に根付いて立ったり坐ったり、世間の騒々しさから離れておいでなさる。ひねもす眺めていても誰にもとがめられない、仏像としっかり向かいあうのには最高のシチュエーションであるな。人家の近くのお地蔵さんには花やらお菓子やらミカンやらがきっとお供えしてあって、その昔はお世話になった。ありがとうございます。お地蔵さんの素朴な信仰というのはいいもんだし、数からいっても日本で一番多いのはお地蔵さんなのだおうとおもう。家の中でおまつりしてあることは少なくて、大概道端にいらっしゃって、子供の交通事故の多い町内でみんなでお地蔵さんを作ったら、それから事故がなくなったらしい。何故かうちの本堂におられたが今は町内に帰られた。やっぱり道端にいたっしゃるのがありがたい。