禅寺小僧

日々の記です。

堀川の茶室










夜、堀川通りを走ってたら、堀川の溝の中になにやら屋根が出現してた。ちょっと入母屋風の屋根で何人かでススキを上に載せてはる、のが眼に入った。もちろんすぐに横を通り抜けたけど、なんじゃあれは〜〜って話してた。


2,3日して朝からの雨も昼ごろあがったころ、なんとなく堀川べりにバイクを止めて川の中に降りて歩いてく。先生らしき人が、どうぞどうぞ時間あったら上がってお茶を飲んでってください、って言うてくれはったんで、お言葉に甘えて上に上がらせてもらった。堀川の上に高床式に建ててあって、階段を上って中に入る。三畳の畳がしいてあって、床もある。軸はなかったけど山茶花の花を入れてあった。天井がないから屋根のススキの屑が落ちてくるけど、これも風流、午前中は雨漏りしたらしいけどこれも風流。京都建築専門学校の学生さんらの学園祭で作ったものらしく、キッチリ水平と垂直がでているシッカリした建物で、こんな中でお茶を飲むってもいいもんですね。となりはビュンビュン堀川通りを仕事の車が走ってゆく。大きな河のような堀川通りの車の流れと、足元には堀川の小さな流れ。そんな中で学生さんがお点前をしてお茶をたててくれていただくんだけど、歩き回ってただ建築を見てるだけより、坐ってお菓子食べたりしながら建物の話をいろいろ聞くのがいいな。


川の上の家って男のロマンだよね。部屋の窓からそのまま直接釣糸を垂れて、座敷から魚釣りをしたら楽しいだろうな。釜の水が少なくなったらバケツにヒモつけて下の川から汲みあげるとか、茶室に入ってもらうまえには蹲で手を清めるのを川の水でやってもらってもいいし。柱や梁の構造材も学生さんらしく安い荒っぽい材料をそのまま使ってるかんじなんだけど、チョウナではつったりしてもいいし、カンナかけたりして表情が変わっておもしろそうやった。まあ茶室なんて遊びの建築なんだからどんどん遊べばいいですわな。学生さんの特権やね。学園祭でつくったこの建物は組み立てこそ一日くらいだそうだけど、設計したり木を削ったりは半年くらいかかのだと。一つ残念だったのは茶室の名前を聞き忘れた。あ〜なんて名前やったんやろう。








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