一町めぐり
道端に停めてある懐かしいバイクの傍を歩いて
しばらくゆくと散り始めている
丘のてっぺんには古いナゾの塔がある
戦時中、サイレンがついていたという人もあり
電波塔だという人もあるけどはっきりしないまま
いまは何の役にも立っていないガランドウのコンクリート
何故だか、撤去されない。
この下にあった青年の家は区役所の横に移転して
まだ使えそうな建物は粉砕されて広場になったけど
これはよくわからないモニュメントとして?
残したわけでもなく残っている
散り始めたサクラの木があり
そんなに立派でもない枝垂れ桜が
半分枯れていてみっともないけど
完全に枯死してるわけでもない
季節のめぐりを感じ、味わって
生きていることを感じれる
だからじっくり桜を見れなかった年は消化不良みたいになる
今年は見れた
蕾がひらいて花になる
新芽が膨らんで柔らかい透明な葉がひらく
生きてゆける
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