禅寺小僧

日々の記です。

枯れ川









このへんは砂利が深い層を堆積していて、
古い琵琶湖に周りの山々から流れ込んだのが
取り残された、らしい。
もともと伊賀あたりにあった
琵琶湖がだんだん北上して
今は滋賀県なんだけど、
ここいらにも何時の頃か、
漫々と淡水を湛えていたのか。


湖水の渚でもまれたせいか、
楕円に丸い小石が多いのだけど、
黄土色のチャートという硬質の石を
カチカチ打ち合わせると、
なんともヘンな臭いがするのだな。
ちょっと火薬のような、
臭いと言いたいのだけど、
言いがたく、
もっとヘンな臭いで、
子供の頃、
カチカチ叩いたのを鼻の先にもっていき、
ウエッ!としたもんだ。
そうなんだけど少し好きなような
不思議な感覚だった。
いまはむかし。
知らず知らず漂っていた。


昔から枯れ川が多かった。
水の無い河の底を、
源流を目指して歩いていたんだ。











142040