禅寺小僧

日々の記です。

座禅の重心2





とある和尚さんを尊敬していて、仏教のことや身体のことやらを
手取り足取り教えていただいた恩人の方なんですけれども、その
先生が大阪で授業をもっておられて帰り、揺れる阪急電車の中で
立ったまま座禅されているとき、何か特別な瞬間があったのだと。


そんなことを聞いていて、バスや地下鉄で立っているときに、その
瞬間をまってはいるけど何もない。


座禅をするようになってから立ち方が少し変わった。まえは両足を
踏ん張って立っていたが、今はやめた。両足で身体を支えるという
考え方から、丹田の中心を自分の身体の重心と意識して、両足の
中心の一点に重心を落とすようになった。もっといえば地球の中心の
一点に自分の重心を落としてる。あるいは地球の中心から自分の
重心が吊り下げられてるような感じか。


地下鉄で立っていて、倒れないように両足で踏ん張っているのと、
重心を地面の一点に落とそうとしているのと、ハタ目には同じような
もんだろうけれども体感的にはだいぶちがう。


適度に揺れる電車の中で、丹田を自分の中心として、地面の一点に
落とそうとしていると、足で踏ん張っているよりはるかに身体が
リラックスしてくる。脚もそうだけど、お腹の中の中の筋肉が解れて
くる。


座禅をしていてもお腹の中の底部の筋肉などが突っ張っていると、
眠くなってくるが、その辺りが解れてくると眼も開いてくる。
そんな風にゆったり坐るほうがあまりシャチホコばってカチカチに
坐るよりいいように思う。