禅寺小僧

日々の記です。

死にともない


仙?和尚が病いで床につかれた。いよいよ命旦夕にせまり、
弟子たちが床を取り囲んでいる。


「和尚さま、最後に何かいい言葉をおのこし下さい」


「死にともない、死にともない」


「天下の名僧ともあろう方が、そんな見苦しいことでは困ります。
もう少しましなことを言って下さい。」


「ほんまに、ほんまに」


とおっしゃった、というのだが。




 仙?和尚逸話選 禅文化研究所 より