禅寺小僧

日々の記です。

温泉につくと、











駐車場が他府県ナンバーで溢れていて、中にはいるのに30分待ちになっていた。それではしかたないので、もう一軒のスキー場跡にできた温泉に行ってみた。また歩いてたどり着くと、スキー場跡地は一大レジャー施設と化していて、これまたさっきよりもさらにさらに山盛りの都会人であふれかえっている。ぴかぴかの車、車、車ワンボックスや高そうなのがズラズラズラと。白い軽トラは混じっていない。山の麓の遠くに見える旧ゲレンデだったところには、立派なテントがギッシリ押しあいへしあい、ひしめきあって建っている。背中にかついで山にはとても持っていけないような重そうなのばかり。たいへんなもんだ。人のあまりいない田舎だと思っていたから、もうなんて言っていいのかわからへん。














本当に沢山の人が都会で毎日毎日朝から晩まで働いて、たまの連休に家族サービスに、街から遠いここまで来られるのだろうな。今夜は近江牛バーベキューでもされるのだとおもう。もちろんここでも温泉も入場制限になっていた。たぶんここで泊まる人は全員が温泉に入るのだろう、まだまだ混雑は増すはず。温泉前の地べたに座り、温泉の入場待ちの人を見つつ、バスを待つ。売店で缶ビールを買う















バスに乗って駅まで揺られてゆく途中、スキー場があった昔からあっただろう食堂なんかはもう閉鎖されていた。スキーが廃業になって草原だけが残ったところに温泉とオートキャンプとたぶんあとなんかいろいろと組合わせてここまでお客さんを集めるとはすごいもんだ。人のいないスキー場跡を山から下りてくるのだろうと想像していたから、観光地化されていたのが予想とちがったぶん、ちょっと残念だったのだけど、バスはそのうちピックランドとかいう施設に立ち寄った。ピックて何するとこなん?都会の人がフルーツ狩りをするとこです、とのことだった。そのとき、ああ観光ってこういうことなんだな、と思った。京都市も観光なんだし、おんなじことをしているのだな。














電車に乗り込み、行けなかった山並みを眺める。三国山明王の禿、赤坂山、すべて時間切れで行けずじまい。悪いのは自分が歩くのが遅いから。赤坂山から時計回りに歩く予定を無視して、縦走ルートの最初から歩こうと欲をかいたから。そうしようと提案したのも自分。遠いところまで行って一つだけ山に登って降りてきました。お客さんの顔を見ただけで温泉にも浸からず素通りしてきました。京都まで帰るのはシャクで納得できないので、二駅目の近江今津で降りた。春の夕暮れ光に包まれる湖岸。この時間を散歩するのは大好きだ。アジアを旅した日々を思い出すんだ。心が広がってゆくよ。だいぶ歩いたさきにある店で、いいメンバーと、いい一日を乾杯する。ご飯を食べて、店の車で駅まで送ってもらった。


思い残すことは何もない。















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