禅寺小僧

日々の記です。

銃声









なかなか明るくならない空がゆっくりと変化してゆくのを眺めていた。
泊めててもらったきれいな部屋は変形五角形のような不思議な形をしている。
ここでは寝室だけで、シャワールームは共同で風呂はなかった。
よその部屋もみせてもらったけれど、そこ不思議変形五角形とか六角形になって
いて、レンガや石で家を作るとなるほど簡単にこんな形が作れるんだな。
木の柱や梁で作ると、畳を敷くことを考えると、どうしても四角い部屋になる
日本家屋とはだいぶちがうみたいであった。












地図も何も持っていないから、あてずっぽうに歩いてゆく。
向こうから、長靴を履いて、えらい長い銃身の散弾銃をかついだおっさんが、
歩いてきて、睨んだ。
おはよう、あなたはハンターですか、っていうと、そうだ、というので
何が獲物なの?ってきいたら、ピジョンだという答えであった。
Oh! Greart! つまり鳩ですね。
でもそのおっさんは銃はかついでいるけれど、手ぶらであった。












歩いても牧場ばかり、店とかは一軒もない。
こんなところで生まれたらどうしていたろう。
やっぱり田舎は出てゆくことにするのだろうか。
あんがいそのまま働いていたのだろうか。
みんな家の中にいるのか人には出会わないですね。











ミルクを集めて運ぶトラックが横を走っていった。
遠くで銃声が二発聞こえた。
獲物はあの人の家で朝飯になったんだろうか。













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