禅寺小僧

日々の記です。

寝台特急日本海









みちのく一人旅
「写真いっぱい撮ってくるぞー」
とあたふたしつつ、勇んででたまではよかったけれど、
なかなか現実がともないませんなあ。。
でもそんなときもありますわな。












長距離列車にはちょっとした旅情がつきまとうのは
おなじ長距離夜行でもバスにはないものが車窓にも
漂っていて、風景をながめては来しかた、行く先に
ぼんやり思いをはせたりする。














大人になっても列車はいいものだよ。












人々の記憶からブルートレインの響きは消えかかって
いるけれど、細々ながら、本当にささやかにだけど、
生き残っていた。











京都駅0番ホームに入ってきた日本海は大阪ー青森間の
約1,000キロくらいを走る。以前は3,4本往復していた
けれど、今は一日一往復のみになっていた。
特急なんだけど、途中駅で止まって、サンダーバード
道をゆずります。最新特急にはない、おくゆかしさがある。
B寝台に横になって、備え付けの浴衣に着替えて、横になって
読書灯のスイッチをいれると、壁についた小さな丸い蛍光灯が
点いてくれた。揺られながら、持ってきた本を読む。













携帯を充電しようとしてもコンセントはなく、
無線ランもなく、悲しすぎることに車内販売もない。
前はあったんだけど、朝にお茶買ったりしてたんだけどな。
だからといって、自動販売機も置くこともない。
家からおにぎりとお茶もってきて乗らんとあかん。
新幹線とはちがう、在来線の鉄路の上をガタンゴトンゆく
昭和。走る化石列車。











朝6時すぎ、おはようございます。とアナウンスがあった。
何か言いたげ。何言うんやろう、ドキドキしてると、
「途中、山形県内の駅でポイントの不作動がありました。
当列車は1時間30分遅れて運行しております。」
やっぱりか、やってくれる。これで午前中一つしようと
思ってたことができなくなったぜ。
昔、帰ってくるときに、やっぱり新潟県内で大雨のため
2時間停車していたことがあって、そのときは時間がなくて
サンダーバードに乗り換えたことがあった。
長距離列車ともなると時間感覚が大陸的で嬉しいよ。
それくらいであんまり文句いう人も乗っていない。












乗りあったおばさんも、大阪で働いてたんだけど、人が
多すぎて。もともと人があんまりいないところに産まれた
から。帰るんだ。と、言った。
次の日の朝、人の縁というのはわからんから、あんたとも
どっかで会うかもな。
と言い残して、朝、途中の駅で降りていった。
おばさんは、またふたたび関西に働きにくることがあるの
だろうか。











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