禅寺小僧

日々の記です。

大般若経






写経をしている人と話しをしていたら、般若心経だけでも
二千枚書いたそうで、もしかしたらもっと多いことを言った
はったかもしれんのやが、キロ数で何キロあります、とか言って
おられたので、頭がくらくらしてしまって。。


それで他のお経も写経されて、これらはきちんと経本に製本
されたそうなんだ。それで、
「和尚さんにお聞きしたら大般若経も読まれるらしいので、
今度は大般若経を写経したい。」
と仰るので、御堂に入って大般若経を取り出して見て来た。


大般若経は六百巻もあって、十巻ずつ秩に収まっている。
順番とかは関係なく入れていたのを、全部とり出して、
番号順にならべてきたけど、はたして、一巻の長さはどれだけ
あるのかな?と調べてみると、長い長い。一巻で10メートル
ぐらいあるのとちゃうやろか。。


これを写経するってか。全部。
日本霊異記を見ると、写経をするはなしがよくでてくるけれど、
なかなか大変なことで、もしだれかに写経しろ、っていわれても
やり通す自信はない。まったく、ない。


「写すってことは、読むってことでしょ。」
と仰るけれど、実は大般若経を年に何度も誦んではいるけれど、
実は転読っていうやり方で、まず、経本の表に書いてある、
大般若経何百何十何巻、唐の玄奘法師ゲンジョウブジョウヤク、、云々
、、、、、と言ってから、
ばらばらバラバラ経本を扇子のようにひらいて一枚ずつおとしてゆく。
最期にゴウブクイッサイダイマサイショウジョウジュ、、、というと、
一巻読んだことになる。


チベットあたりのマニ車を回すと御経を誦んだことになるのに似ている。
だから大般若経をいままで百回読んだか、二百回よんだかしらないけれど、
内容にいたっては実は全く知らん。


人に聞かれると、大般若経600巻を一冊にダイジェストしたのが、
金剛経です。それのさらにエッセンスが般若心経です。としたり顔で
心苦しく答える。玄奘三蔵法師がインドから命がけで持って帰りました、
と付け加える。


しかし昔の人はやっぱり写しながらじっくり勉強したんやろうね。
いまとはやり方がだいぶ違うんやろうな。
その人は600巻を十年計画で写します。とおっしゃっていた。
写し終わられたら、どんな内容だったか、聞きにいってみるか。