禅寺小僧

日々の記です。

ヒップアップ





見た目に、坐禅の姿は安定していて、どっしりしていると
いわれている。誰に聞いたかは忘れたけれど、写真の三脚は
安定してるやろ、あんなふうに坐るんや。って云われてちょっと
勘違いしてたところがある。


三脚のようにというと、足を組んで、左右のひざと尾てい骨
との三点で坐るものかと思っていたが、ちょっと違うんじゃない
だろうか。座布団を尻の下にひいて、尾骶骨と膝で身体をささると
どうも腰砕けになりやすい。背中が丸くなって、気合もはいらないし、
しんどい。


尾骶骨を支点にするかわりに、膝からつづいている長い骨の反対側、
つまり大腿骨の胴体側(つまりは股関節のあたり)を支点にするといい。
そうすると自然と腰が伸びて腰砕けが直り、それにつられて腹も自然と
前に進み、座を組んでいる中に入ってくる。坐を組んでいる中心に丹田
入ってきて、同時に下腹部も伸びてきて、腹の中に力が働きはじめるのが
わかります。つまり、これが三脚のように安定するんだ、ということだった
のです。右膝、左膝、左股関節、右股関節の四点で身体を支え、その中心に
丹田をもってくるということを云っていたのだとおもいます。


確かにこの坐り方だと楽に坐れます。
内部感覚が練れれてくれば、正座にも、椅子にすわるのにでも応用できます。
後ろの支点が尾骶骨で坐っているのなら股関節で坐るようにし、
股関節で坐っているなら支点の位置をもう少し前に持ってきます。
そうすれば縮こまっていた腰のあたりと下腹部が伸びてきます。


左右どちらかの股関節が床についていないように感じるのは
無意識のうちに筋肉でひっぱり上げているのです。身体を
揺らして力を抜くようにしましょう。歩いているときそちらの方の
脚に力を入れないようにして、足の親指をぶら下げて歩くように
身体を使うのも良いと思います。







後ろから見て、お尻が垂れ下がって見える人は、坐っているとき
重心が後ろ気味で尾骶骨あたりで坐っている人が多いようです。
股関節のあたりを意識するとスタイルもかわってくるのでは?
もちろん、心地もですけれど。