禅寺小僧

日々の記です。

韋駄天

hekigyokuan2005-07-24

 スターレットってもう無くなったのとちがうかな?トヨタが韋駄天ターボって宣伝してたヤツ。めっぽう足の速い奴のことを韋駄天というが、じつは寺の中にも韋駄天さんがいるんだよな。それは台所の神様でもともとはインドの神様であったらしい。毘沙門天とか弁天とか天と名前につく神様はだいたいそうらしい。足の速いのをいかして台所の周りをグルグル走り廻っておられるらしいが眼に見えないぐらい速いので直視するということはできないみたいだ。台所はやっぱり人間が生活してゆくなかで中心となる場所の一つだから大切な場所だとおもうど、韋駄天さんの役割は火と水をつかさどって火や水の災難にあわないようにするのが一つ。それともう一つは食べ物を調達してくるということ。毎日食べる食事のことをごちそうというけれど、漢字で書くとご馳走でもともとは韋駄天さんが走り廻って人間の為に集めてきてくださるという考えからきている。今は辞書を引いても、ご馳走=おいしいもの。客をもてなすのに走り回らなければならないところからこう言う。とか書いてあるけど料理人がバタバタ走り回ったところでおいしい物ができるとはおもわない。やっぱりジタバタした味になってしまうんではないかな。そうではなくて走り廻るのは足の速い韋駄天さんに御願いして食べ物を集めていただいて、人間は謙虚に「ご馳走さまでした。」と手を合わせていた時代の方が、食べることそのものに対する喜びやありがたみがあったのかもしれない。