禅寺小僧

日々の記です。

雨は降って、スモモは落ちる。

hekigyokuan2005-07-03

 スモモを取ってジャムにする。人それぞれなんだろうが、酸っぱくて、おいしい。スッパさは後でやってくる。
         
 夢のような外国での日々は、とっくに、どっかに行ってしまった。向こうに居る時「あなたは調子に乗りやすそうだから気をつけなさい。忘れなさい。」とたしなめられたけれど、湿気の多い日本に帰ってきたら自動的に全て忘れてしまった。変わったのはミュージシャン氏を心から尊敬するようになったこと。今まで深い話とかしたことがなかったから。最終公演の日、感じもわかってきたからもう、揚がるようなこともない。淡々とする。前日と同じように坐禅から始まる。やがて静かに石が叩かれはじめ、透明なまざり気のない、音を奏でる。楽器ともいえない、四国の山から掘り出された、天然そのものに切れ込みをいれただけのものが鳴りはじめる。共鳴が共鳴を呼び、ミュージシャンと一体になってしまう。ありえない。音。ちっぽけな人間の表現や計らいを遼にぶっちぎって何十万年か前に固まったマグマが振動して音をたてて、響いた。