禅寺小僧

日々の記です。

存在感

hekigyokuan2005-06-13

 せっかく来ているのだから、というので予定にはなかったけれど、急遽、2千人収容という大きなホールにいくことになった。といっても舞台の袖から出て真ん中まで行ってまた戻ってくる、というだけのことだから人様にみていただくような珍しさも芸もないけれど。裏口から入っていって、リハーサルで舞台を見て驚いた。なんと中は五階建てのホールになっていて舞台から客席を見上げるとどこかの宮殿に来たようで、かつては貴族や名士の集まったのだろうなと思わせられた。なんとも贅沢な空間だと思うと同時に、どんな人が集まるのか分からないけれどちょっと申し訳ない気もした。日本だったら国宝に指定されていそうな雰囲気のある空間だ。昼間は一日セッティングやなんかでつぶれて夜に公演が始まる。前半はオペラがあって、いよいよ後半のコンサートの前に舞台に出て行く。タクの音が鳴って、ゆっくり。あくまでゆっくり、歩みを進める。途中で90度曲がって舞台の前に進む。もう一人の人が焼香をしている間、横向きになって、待つ。それからもと来たところへ戻った。












 たった、それだけのことだったけど、何と、評判良かった。オペラがあまりに壮大であったからその次にソロで演奏される前になんとか雰囲気がかえれたらなあ、とは思っていたけど、どうやらいい緩衝材になったみたい。公演後は2階のテラスとそれに続く部屋で大勢ででシャンパンやワインを飲んだりしたのだけど、何人かに質問を受けたりした。なかでも自分自身も俳優で劇団をしているという人から「いろんな演技を見てきたが、あんなに存在感のあるのはみたことないどんな風に演技してるんか?」とか聞かれた。別に何も考えてませんよ。むしろ気配を消そうとしてます。心がけてます。もっとも日本ではひたすら小さくなって暮らしてるから、その反動から大きくみえたのかもしれませんがね。













せ。