禅寺小僧

日々の記です。

らっきょ

サヌカイトっていう石があってご先祖様は石器やなんかを作っていた
石で、讃岐でとれるからこの名前がある。ご当地ではカンカン石と
言われていて、平べったいヤツを叩くとカンカン澄んだ音がする。
石器としての利用は現在ではなされていないれど、この石を叩いてみたらひらめいた人がいて、なんと石を叩いてコンサートをしたりする。一度きかせていただいたことがあって、音楽門外漢にとっても何か魅かれる響きがあったんだ。一時間以上のコンサートであったのだけどカーンとかゴーンとかいうのにあわせてお経もはいった。驚いたのは終わってみて、体の中をスーッと何かが通り抜けていったような、清涼な後味が感じられて、ふだんいらん事ばかり考えている脳味噌がどこかに行ってしまってポカンと空いた、昼寝の後みたいになってしまっていることだった。???サヌカイトはそんな不思議な石で、楽器じゃないんだ。ただの石ころ。だけどなんだ??いちおう曲になっているのだろうけど、五線譜に書いてあるわけじゃないだろうし、アドリブのブレンド率が多いのではないかと思う。だけど、というかそれだからというべきなのか、脳味噌が考えるのを放棄させてしまうのかもなあ。理解しようがないもんな。奏者の人とお会いする機会があって、そのときのことを「ようわからんがスーッとしました。」といったら「そうや、それが幽玄なんや。」といってもらえた。幽玄。接しているときには思考停止。終わってみたらよかったな、という。

この人の曲に観音経というのがある。
この方と接していたら、やはり観音経のパワーを感じておられるようで、その感じたパワーを世界にあらわしてゆくと、サヌカイトを撫でたり叩いたり、の音となって聴衆のところに届いてゆく。石を奏でるという常識を離れたところで音がする。石を木で叩く、叩かれたのが石で叩いたのが木?楽器とか離れたところでする音、気持ちいいねえ。