禅寺小僧

日々の記です。

皆子山 皆子谷ルート










皆子山は最後まで谷すじから攻めてゆく珍しい山で、登山道らしい登山道もなく。昔の旅人が山を越えた道はこんなのだったのかなっていう雰囲気の中を歩いてゆく。楽しい山旅なんだ。











山頂に着いたら誰もいなくて、風が吹いていた。バスを降りてから足尾谷、ツボクリ谷とあっという間に登ってきてしまった。さてこれからどうすんの。山頂で悩んだ。東尾根ルートっていう安全な道がある。けどそれだとあっという間に降りてしまって、でも夕方までバスが来ない。べつに俺はそれでもいいよ。雨で濡れて寒いし、どっかでワンカップでも売ってたらもうそれで幸せです。でも店もコンビニも何もないんですよ。屋根もないバス停で雨の中を夕方まで立ったままか、それもツライな〜。それより谷を南へ降りて、峠を越えて大原に戻るか、天ヶ岳を越えて鞍馬に帰るか。昭文社山と高原地図を見ると、寺谷と皆子谷があって地図上では皆子谷のほうが少し緩やかなようだ。立派な赤い線が堂々引いてある。悪路はテンテンの線で描かれるのだけど、ちゃんとした道は赤い実線で描かれるのだ。寺谷がよく使われるルートみたいだけど皆子谷のほうが西で鞍馬にちかい。後輩が皆子谷ルートにしましょうと、言う。雨やし東尾根ルートがいいのじゃないの?って言ってみたけど、みんなは来ないバスを待つのがいやみたい。とりあえず少し偵察に行ってアカンかったら戻ってこようとこうことに決まった。














GPSで地図上の皆子谷の入り口まできたけれど、道は無かった。歩くたびに足下が崩落してゆくような軟弱な谷。もう少し行ってみよう。道を降りてるのじゃない。谷の、川の中を降りてゆくようなもんで道はまったくどこにもない。ここはやっぱり頂上に戻ろう。いやもう少し行ってみましょう。みんなは今降りてきたところを登るのがいやみたい。ジャブジャブジャブジャブ。渡渉なんて何十回したかわからない。地図にだまされたなあ。道なんてどこにもなかった。子供がハイキングに来て大勢で遭難したことがあったそうだけど、そら子供の脚で大勢がここを降りて夜になったら、かわいそうに、もう動けへんわな。でも自然はいっぱい。深山に来たなと思える場所だった。最後のほうになって道らしいのが出てきた。蛭もいっぱいいた。こんなのが楽しいんだけどね。ほんとに久しぶりに山鳥を見た。百井を越えて鞍馬駅まで。











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