禅寺小僧

日々の記です。

東寺、比叡山学院、東大寺、薬師寺と








二日間かけてまわる研修会に参加させていただいて、
それぞれの山の管長さま、長老さま方のお話をお聞きさ
せていただいた。どこの方もよく勉強されているので頭が下がりっぱなし。
真言宗天台宗華厳宗法相宗それぞれの寺で独自の仏教学がきっ
ちりしていて、話の中の比喩でも、あの寺はいまでいう国際大学ですわ。
外国語勉強したり、留学生も多かったんです、というように今の大学にた
とえられていた。仏とはなんですか?とか空とはなんですか?と尋ねれば
論理立てて言葉できっちり説明してもらえそうであった。禅宗だとはいこ
れってポンとモノを差し出す感じであるかな、とか思っていた。それぞれ
のやり方があるのだな。












雲のない、薄いブルー空が突き抜けて、大仏殿の背景になっている。花が
咲いている、樒の樹も太陽を浴びている。もう春になったと誰もが思って
いる。日差しを浴びるとそう思う。お寺の方に大仏殿に入られたらみんな
仏像を見るのですが、ぜひ建物を見てください。木造でこの空間を作って
いるというのを見ていただきたいです。とおっしゃった。やっぱり巨大な
だけに建物の維持修復に苦心されているのだろうな。中に入ると、大仏の
ヘソと呼ばれる、材木を通すべくあけた穴が、設計変更で木を通さなくな
りそのままのおいてある穴の周りに人だかりができていた。見ていると、
子供がキャッキャッいって通る。外国から来たナイスバディのブロンド娘
ジェシカも通った。みんなこんなのが好きなんだ。女子校の修学旅行の
一団は誰も通らなかった。











奈良の鹿は山の鹿とちがって、のんびりおっとりしている。山の鹿には生
きることと結びついた厳しい美しさを持っていたけれども、丸いおおきな
黒い瞳は人間を恐れもせず、憎みもしていない。沢山、ぬいぐるみがある
みたいだった。











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