禅寺小僧

日々の記です。

仏教からみた、サステナビリティ(持続可能性社会)について











ゆく河の流れは絶えずして、
しかももとの水にあらず。
よどみに浮かぶうたかたは、
かつ消えかつ結びて、
久しくとどまりたるためしなし。
世の中にある人とすみかと、
またかくのごとし。







サステナビリティという言葉を聞いたことがあるだろうか。持続可能性社会と訳される。
Sustain が維持するという意味だけど、何を維持するのかというと、将来にわたって
豊かな自然環境を維持しつつ発展をしてゆくことを目指している。
企業の社会的責任CSR Corporate Social Responsibility の高まりで、環境保護
社会貢献、企業倫理が求められてくるのにつれて、その企業に投資するかどうかという
ときに判断基準の一つとされるようになってきた。
企業イメージとしても、リサイクルに励んでいます、ゴミは少なく、エコで、資源の
無駄使いはしていません、クリーンで地球にやさしい会社というメッセージが大切に
なってきている。
企業のキャッチコピーも、いつのころからか、酒やジュースの食品製造会社では
「水と生きる Suntory」となり、石油から石鹸などをつくる化学工業の会社では
花王 自然と調和する こころ豊かな毎日をめざして」というように変化してきて
いるのをテレビのCMで見知っているはずだ。












むかし、一休さんというテレビアニメがあって、いつも毎週なにかの事件がおこって、
それを小僧の一休さんが、とんちでもって、悪い人達をやっつける。子供の一休さん
大人の将軍さまであろうと、理不尽なことがあれば堂々と痛快にとっちめる。やりこめる、
という話。一休さんは安国寺という貧乏寺に和尚さんと5,6人の小僧さんに住んでいて、
みんなでお経をあげたり、掃除したり、食事を作ったりして、共同生活をしてる。
同じように、現代の禅宗の修行道場でも、師匠の和尚さんと弟子の修行僧が集まって一緒に
共同生活をしつつ、修行をしている。
仏教の修行者の集まりのことをサンガという。
個性あり、身分、人種のちがいのある人々なんだけど、生き方の根本のところで志をおなじく
している。人生そのもの、日常そのもの、現実そのもの、ありのまますべてを修行として行じ
てゆこう。仏教徒とはこういうことだろう。それぞれ違いはあっても人生への思い、志のところ
でつながっている。それだから一つの集団になれるのです。






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