禅寺小僧

日々の記です。

買いたいものよ。









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↑こんな演劇があるのですね。
燐光群公演「ザ・パワー・オブ・イエス
村上直之先生の劇評を読んでいて印象に残ったのが、以下のくだり。


『 最後の証言者は、〝ヘッジファンドの帝王〟ジョージ・ソロス
投機家にして慈善事業家、そして世界同時不況を早くから予告していた彼は語る。
マネーゲームに群がる人びとを突き動かすのは〝欲望〟と〝恐怖〟だ。
自分も莫大な損失を被ったが、ほんとうの被害者はゲームに参加しなかった民衆だ、』


現代はそんな時代か。













昨日の夕刊を見ていたら、「外国人の山林売買調査」
という記事があり、水源地の山林を外国人に買い占められているのを
国交省林野庁が調査します、という内容だったが、まさに最近考えて
いたことの一つで、そのきっかけはフィリピンでだった。


フィリピン在住のその友人が、
「日本で山を買ったんですよ。」
「えー、山買ったの? ははは。」←(二度と売れませんぞ、そんなことしたら、、)
農学部時代の演習林の近所だから土地勘があり、マイ演習林を持ってみたかった
のでしょうか。彼が言うには、
「フィリピンでは外人は土地を買えません。だいたいがそうです。
日本は外人でも外国企業でも土地が買える珍しい国なんです。」
「きれいな水のある山が欲しかったんです。」
という。確かに、フィリピンでは飲めるような水が流れている山は無いわな。
しかも日本だとその山に行くまでのアスファルト舗装のいい道も付いていて、
電気も通っていて、きれいで。全部含めても、安いんですよ。
古家とつづきの水のある山を買って安かったですよ。一平米、100円程でした。
フィリピンよりも安いんですよ。しかもここは開発されてしまって、大学で
習ったような熱帯性雨林なんてどこを見てもないでしょう。。












そういえばそうですよ。
日本の山林、農地はやたらと安い。
父親の畑の横の道に面した、今風の背の低い、キチンと手入れをしている
梅林、栗林がこの間売りに出て、坪800円だったんだと。
言ってくれれば欲しかった。。











この間、四国の人と話していたら、水源地の山を外国人に買い占められて、
みんな薄気味悪がっている。と言っていた。
外国にはきれいな水が無いから、きれいな水があるところにあこがれてる
みたいですよ。というと、
それだったらいいんですが、と言っておられた。


お金が貯まると、人は利回りを求める。
そうしてマネーはさらに高い利回りを求める心に応じて金融商品が発展して
ゆくし、金融機関は利回りで投資家に応えるしかないのだろうが、そのマネー
ゲームの場所はわれわれの生活している、会社や国や食料生産地や水源地にまで
拡大している。ゲームが終わったときに、ソロスのいうような、最大の被害者は
ゲームに参加しなかった民衆だったというようにならないように、願う。


技術があっても、為替で負けている悲しい現実。
製品の生産国だったのが、製品の輸入、消費国になってゆく。
世の中の流れは金融機関が破綻する金融危機から、国が破綻する財政危機へ。
日本の田舎の過疎の村の、一見何の値打ちもないような山林でさえも、
気がついたときは、世界経済の流れにさらされている。