禅寺小僧

日々の記です。

死にともない4



ある時藩の中老、立花勘左衛門が寺に和尚を訪ねたとき、
和尚は風呂に入っていた。客人だというので、急いで風呂から
上がると、書院から、
「どうぞ、そのままで。」
と立花勘左衛門の声
「はい、それでは御免をこうむります。」
襖が開くと、
「アッツ。」
と立花さんは思わず声をあげた。
素っ裸の仙?さんが立っていた。


ある金持ちの家の新築祝に呼ばれた仙?さん、
宴会が興にのってくると、なにか目出度い歌でもかいてください、
と普請した金持ちにねだられると、皆のみているまえで、白い紙
を広げてもらい、筆に墨をつけ、
   『 ぐるりッと 家をとりまく 貧乏神 』
と書いた。みんなが怪訝な顔をし、金持ちは不満そうな顔をしている。
と、
   『 七福神 は外へ出られず 』
と、下の句を続けたんだとさ。