禅寺小僧

日々の記です。

通りすがりの出会い





デジタル写真を始めた頃はフィルム代はいらない、現像いらない、
パソコンのモニターで大きく見られる、こんな良いものはないと
驚喜したな。安くで譲ってもらった中古カメラのカウンターを見る
と6,500枚を超えていた。そして知らず知らずのうちにパソコンの
ハードディスクの中で大量にデータは増殖していたのである。友人は
ハードディスクの肥やしや。というのだが。







便利な半面、データとして保存してるだけで、紙に焼かなくなったなあ、
というのがデジカメ以前を知っているものの悲しみで、今回の写真展の
動機はヤーベン・トールセンさんが日本に帰国されたからなのですが、
紙に焼いてみたい、というのが隠れた理由でありました。







この3枚組みの作品は、日常のささやかな、けれど見過ごしにできない
出会いを集めてみたのですが、ミャンマーにしても、大学生のポートレート
しても、この3枚組にしても、忙しい毎日の中で、つい忘れがちになっている
ものを集めてみたんです。発展途上国の土に近い、人に近い暮らし、
学生の画く未来、片隅で輝いている笑顔や草花。


そんなものに心をなぐさめられて日々をすごしているわけですよ。
写真を撮るのは、未来のことを見るだけでなくて、
常に過去をふりかえっているのではないだろうか。
過去をふりかえりつつ、未来をちょっと見てる、
写真と日記をさわっていると、
思い出の中だけで生きているような気がしてくる。