床

「エエのが出来たから。」って言いながら、P氏がやってきた。
ゆったり歩きながら、「なんかメシ、食うか？」ということになり、
鞍馬口のラーメンなか房に向かって歩いてゆく。ここのラーメンは
ウマすぎる上に、地鶏チキンカツ定食が６５０円！という破格の安さで
人気がある。ついでにキムチも食べ放題。ラーメン並だけで６５０円
くらいのチェーンも多いこのご時世であるからよけいに、こういう
個人営業のお店は贔屓にしたくなりますナ。表から覗いてみたら、
なかなか繁盛してるようで、最近人気がでてきたようで末長く繁盛
していただきたいものですな。P氏はラーメンが大好きなんだが、
夏にはちょっと暑そうなので、流行っている寿司屋によった。

京都の夏は床だ！と加茂川のとっておきの床のある場所にゆく。
広い床を二人で広々と使い、夕暮れ空の下でやるのはいいもので、
河原を犬の散歩する人、橋の上をゆく人を見、大文字、比叡山の
遠山を眺める。蝉の声をききつつくつろいでいると、不意に川上から
風が吹き始めた。カナカナも一匹鳴いている。橋の上の街灯に
灯が点もり、四条に祇園祭の御輿洗いの見物に出かけることにしたけれど、
ついた頃には残念なことにもう通りすぎたあとだった。
四条河原の石の上はあたたかったけれど、風は煙草の臭いがした。
賑やかな河原に寝転んで、向こう岸のジャズの音に耳をかたむける。
P氏は昨日勉強会で高級な床に行ったらしいのだけど、
今日の床と昨日の床とどちらが好きなのだろうか。