夜景
大文字からの夜景はこんなふう。
闇の中で風に吹かれている。
足下に京都の街を隅からすみまで一望してにょっきり立つと、
あんな小さな点の中で右往左往したり、心配や期待をしているのだ。
そんなふうに思えてくる。
脚を動かしている間は無駄なことを考えないし、
ここに居るあいだもそうだ。
持ってきた酒もあるのだけれど、
なんとなく飲む気にもなれず、
山の神様のお清めにさせてもらう。
今まで何度ここに来させてもらったことか。
そして何度も何度も、自分を清めてもらった。
谷からのぼりはじめて、送り火のところまで来ると
急に展望が開ける。
京都の街を堂々と見下しつづける場所。
今度いらしたら、是非、また、どうぞ。