禅寺小僧

日々の記です。

アウトバーンと質実剛健

 もっともっと広い道が延々真っ直ぐ続くのだろうと思っていたら、
案外、そうでもなくて、片側二車線のきれいな道が延びている。
片側4車線か5車線の高速道路はアメリカあたりのであって、
ドイツでは2車線だった。けれど、日本で溝の底を走るような高速道路と
はちがって、おなじ2車線でも広々していて、風景が広い。
麦を刈った畑がひたすら広がっているけれど、畑のかたちも耕地整理された
四角でなくて、それぞれ適当な形で、一枚が野球場何枚分か、という畑だった。
根本的なところで何かが違う。
   
 ベルリンから北上してバルト海近くの村に向かっているのだが、走っている車は
だいたい150キロぐらい出している。アウトバーンはポルシェがバシューンと
走っているのだろうと思っていたら、サニー、カローラクラスの車がほとんどで
がっかりした。200キロ以上走ってポルシェにはたった、一回しか会わなかった。
いろいろな車に乗せてもらったけれど、小型車、ディーゼル車、ガス車がほとんどだった。
アウトバーンの通行料はトラック以外ただだけれど、ガソリン1リッター、なんと、
200円するんだそうだ。税金がのっているからなんだけど、こちらもなかなか大変であるな。。
途中スーパーに寄ってもらうと、少年が眼を輝かせて近づいてきて、
   
「どこから来たんだ?」 と手をひろげて聞く。
   
「ヤーバンから来たんや。」
   
「じゃあ!、カンフーの達人なんですね!」
   
「??????。」
   
思い込みだよ。お互いに。日本の坊さんです。仏教をもってきました。
鎌倉時代以来、おもに武士階級がそうであったように、質実剛健
禅仏教は相性がいいらしい。むかし日本の国際禅堂で会った人たちも
ドイツやオランダの人が多かった。アウトバーンを走る車を眺めて
生き方の違いを感じた。