禅寺小僧

日々の記です。

アメリカン ヒストリー X

木の葉

三年後、娑婆に戻ってみると、状況は過激化して盛り上がってる。
スキンヘッドのイカツイ過激派になった弟を何とか救い出そうと
兄は言い聞かせ、なだめ、校長先生は弟に自分を冷静に観察させる
ために、レポートの課題を与えた。タイトルは「兄弟」。
その中で弟は色々なことに気付く。他人は偉大な兄のイメージを通して自分をみていたこと。
表面上は父親が殺されたことから、兄の心の中で差別の感情が爆発したのだけど、もっと以前、優等生だったころの兄にはそんな傾向は少しもなかった。けれど、毎日ごくごく普通に繰り返されている食卓での、尊敬する父親のさりげないたわいもない一言が、無意識のうちに心のどこかに伝わって、埋蔵されてしまったのだ、ということも。弟は徹夜でレポートを書き上げ、夜が明ける。朝、登校して、一時間目の始まる直前、トイレに入った弟は同級生の黒人にピストルの引き金を引かれてしまう。心の中で新たな決意と出発を誓った、その朝に。
                        
 長くなってしまったけど、アメリカン ヒストリー X という映画のあらすじだ。98年頃の映画だった。興味深いのは、差別の感情の根っこ、種は、どこから来たかというと、自分の家庭の父親のさりげない一言が刻み込まれることから始まっている、という点だ。知り合いの娘さんがいて小学校一年生なのだけど、学校で喧嘩になると、お前なんか国に帰れ!!といわれるのだそうだ。小学校1年でその外国がどこにあって、どういう過去の歴史の結果いま日本にその家族が住んでいるのか、理解している筈もないのだけど、しっかりそういうことは叫ぶのだ。娘さんは、それやったら飛行機代頂戴!と言うそうだけど。