禅寺小僧

日々の記です。

椿の樹を切ってたら、ノコギリが折れてしまった











実を言うと、心中おだやかでもないんですが。
というのも今までは自分が旅人だと思っていたのが、今度は旅人を迎えるほうになっちゃったということで、ああ旅人じゃなくなっちゃったんだなみたいなのがあるのです。がっかりしてるわけじゃないけど。宿屋の親爺になったつもりもないし、観光業をしてるつもりもありません。宿屋だと専門の便利よくて快適なホテルが京都にたくさんあるだろうし、観光というとなんか珍しいもの、貴重であったり物凄く古いとか有名な人が造ったなんかとか、いまだったらきれいな紅葉とか、とにかくなんか普通にはあまりないものがないと観光にならないのだわな。


ところで自分自身の旅を振り返ってみると、海外に行ったときなんかにその国に来たのだなという実感が湧くのは、その国で出会った普通の人の家に行ったときなんだな。観光地でもホテルの部屋でも土産物屋でもなくて。だから観光寺院のような特別なものは何も無いんだけど、普通のお寺に来て、観光するよりはゆっくりと時間を過ごしてもらえれば、それだけでいいのではないかと思ったりするのです。別に特に何があるわけでもなかったけど、なんでか知らんけどあの寺が日本の思い出に残ってるみたいになったらいいのですけどね。





ノコギリが三つに折れて飛んできよった。アブナ〜。よお切れるけど、薄いノコは怖いです。鋼が堅いんやと思うが。なんとなく薄ピンクの年輪を見てるとこの椿もなかなか年を経てるような。







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