禅寺小僧

日々の記です。

 便利、速度、快適、楽チン化してゆくものに、なんとなく馴染めきれないアナログ人間だから、かどうか、未だにカーナビは付けていない。紙でできた地図帳を放り込んである。紙の地図を拡げると、行ったことのない土地のイメージが眼の前に拡がって、どんな雰囲気の道なんやろ、どんな山並みなんかな、とココロを遊ばすことができて、愉しい。初めて高速道路に乗ったとき嬉しかったのは、サービスエリアで、横に長いのをお経の本のようにたたんである、立派なカラー版の地図を、タダでもらえたことだった。なんとなくトクをしたような気分になり、車の中で拡げて眺め、今ここを走ってるンや、と悦に入り、旅が終わると大切に畳んで、家に持って帰った。