禅寺小僧

日々の記です。

 人気のない神社から、人通りでいっぱいの川沿いの道へ。賑やかなところは、なんとなく、下をむいて歩く。のんびりした風情が好きで、何年か、このあたりに住んだことがある。その頃、ここらは穴場だったのだ、と思う。土産物屋なんぞもなく、人通りも少なかった。小川に枝を張り出して、垂らしているのを眺めるのが好きで、何度も、歩いたものだった。誰と?。誰とだったか。二人のときもあったし、もっと人数のいたときもあった。でも、たいていは一人きり、枝を眺めていた。ひっそりと咲く樹を愛でて。空腹なのに、二人で一升瓶をもってでかけたこともあった。春になって、花がひらくと、桜は人を酔わせるけれど、その一方で桜に酔いたがる人の心がある。桜と人の出会いを撮りたいと思っているけれど、今年はどこまでいけるのだろうか。今日はいい天気なんだけど、夕方もどうもいそがしそうだし、、。桜の樹の下では、人間の顔もほころんでいる。この世に生まれて、よかった。とどこかで感じている。