禅寺小僧

日々の記です。

観光客



 庭めぐりをしてきた。場所にもよるだろうけれどお寺を訪れる人のうち、かなりの方がお参りというより観光でいらっしゃいます。和尚さんはお経をあげたり、法話をしたりしたほうがいいと思ってらしゃるんですが、観光で来られる人はどちらかというとそういうのは置いといて、静かに庭を眺めているほうが心穏やかになっていいようです。のんびりして。






それで碧玉庵の庭もちょっとづつ手入れしてきれいにしていこう、と思い立ちました。
何にでもお金がかかる現代に庭を持つというのは実は大変な贅沢である訳で、寺に居ると自分で作らなくても御先祖さんから引き継いだ庭をそのまま手入れさせていだだけてこんなにありがたいことはありません。暗いうちから起きだして、お経をあげ、空が白んでくると庭に下りて落ち葉を掃くわけですけれど、その前にコップにいれたコーヒーかお茶をすすりながら、台所から庭の草花を眺めるのが、ほんの僅かな誰にも邪魔されない自分の時間といえるのかも知れません。草を眺めて、しみじみ噛み締め今日も始まるわけですよ。